2004年に製作され、日本でもゾンビ映画ファンを中心に人気を博しながら、残念ながらDVDスルー、「劇場未公開」に終わったホラーコメディの秀作「ショーン・オブ・ザ・デッド」が、2019年3月末より、劇場公開されることが決定しました!
公開規模としては、限られた劇場でだけの「限定公開」ですが、この映画をスクリーンで見たい!と思っていたファンにとっては、まさに「夢が叶った」上映だと言えるでしょう。
今回は、そんな「ショーン・オブ・ザ・デッド」初劇場公開を記念して、この映画の魅力についてお話したいと思います!
「ショーン・オブ・ザ・デッド」とは?
「ショーン・オブ・ザ・デッド」は、2004年に製作された、ゾンビ映画をパロディ化したホラーコメディです。
監督のエドガー・ライトは、英国のTV局BBCでドラマ「SPACED 〜俺たちルームシェアリング〜」を製作、英アカデミー賞にノミネートされるなど、高い評価を受けます。
その後、同ドラマで共に脚本を書き、出演もしたサイモン・ペグと組んで、「ショーン・オブ・ザ・デッド」を作り上げます。
「俺たちルームシェアリング〜」には、「ショーン~」の主役サイモン・ペグの親友役を務めた、ニック・フロストも出演していました。
監督のエドガー・ライト始め、出演者のサイモン・ペグもニック・フロストも大好きな「ゾンビ映画」に深い敬意を捧げつつ、笑えて泣けて、そしてハラハラさせてくれる上質のエンターテイメント作品として、「ショーン・オブ・ザ・デッド」は新人監督の作品で「無名の俳優」が主演した映画ながら、高い評価を受けました。
それは、「ゾンビ映画の父」と言われている、全てのゾンビ映画の出発点と言える名作「ゾンビ」を監督したジョージ・A・ロメロ監督が、「ショーン~」を見て大いに気に入り、自身の新作ゾンビ映画にエドガー・ライトとサイモン・ペグをゲストとして呼び(短いシーンですが)出演させたというエピソードからも伺えます。
しかし大変残念なことに、日本では「ホラーコメディ映画は当たらない」「知らない俳優が出ている映画を誰も見に行かない」などの理由で、劇場公開は見送られてしまったのです・・・
実はエドガー・ライト監督の、「ショーン~」に続く劇場映画第二作目、「ホットファズ -俺たちスーパーポリスメン-」も、当初は劇場での公開予定はなかったのです。
しかし、「こんな面白い映画を。映画館で見られないなんて!」という、ファンのアツい後押しで署名運動などがされ、その結果劇場での公開が決まったといういきさつがあります。
それだけに、最新作「ベイビー・ドライバー」が高い評価を受けたエドガー・ライト監督の劇場映画処女作であり、今や「ミッション・インポッシブル」や「スター・トレック」シリーズにも出演する「売れっ子俳優」となったサイモン・ペグとコンビを組んだ「ショーン・オブ・ザ・デッド」の劇場公開は、「待望の」と言って過言ではないでしょう!
「ショーン・オブ・ザ・デッド」のスタッフ&キャスト
【スタッフ】
監督:エドガー・ライト
製作:ニラ・パーク
脚本:サイモン・ペグ、エドガー・ライト
撮影:デヴィッド・M・ダンラップ
音楽:ダン・マッドフォード、ピート・ウッドヘッド
【キャスト】
サイモン・ペグ(ショーン)
ケイト・アシュフィールド(リズ)
ニック・フロスト(エド)
ディラン・モーラン(デヴィッド)
ルーシー・デイヴィス(ダイアン)
ペネロープ・ウィルトン(バーバラ)
ビル・ナイ(フィリップ)
「ショーン・オブ・ザ・デッド」のあらすじ
イギリスはロンドンの家電販売店に勤めるショーンは、親友のエドと気ままな毎日を過ごしていたが、ある日自宅にいる時に、侵入して来た浮浪者のような女に襲われます。
なんとか撃退したショーンとエドだったが、それがイギリス全土に広がりつつあるゾンビ騒ぎによるものだったと、TVのニュースで知ることになります。
ショーンは恋人のリズと、義理の父と暮らす母親をゾンビから救うべく、エドと共にリズと母親を迎えに行き、行き着けのパブに篭城する計画を立てます。
しかしなかなか計画通りに事は進まず、ショーンたちの行く手には次々と、ゾンビたちが立ちはだかるのでした・・・
「ショーン・オブ・ザ・デッド」の見どころ
まずなんといっても、「典型的ダメ人間」を見事に演じてくれる、ショーン&エドの名コンビが見ものですね!
ショーンとエドの他に、もう1人一緒に暮らしているピートという男性がいるのですが、ショーン&エドで家の中で朝まで騒いだりなど、何かやらかしてはピートに怒られてばかり。
更にショーンは恋人リズとの記念日を忘れて、愛想をつかされてフラれてしまう。
そんな二人がボケっとしつつも、TVを見て「どうやら世間は大変なことになってるらしい」と気付き、リズと母親を助けに行く決心をするショーン!
というよりは、
「フラれたリズにいいとこ見せたい」というのが本音だったような気もしますが、それでも「大切な人のため」なんとかしようと、不器用ながらも必死になるショーンの姿は胸をアツくさせてくれます。
そしてこの映画は音楽の使い方も最高なんですよね!
特に、日本でも最近「ボヘミアン・ラプソディ」が封切られて話題になった、クイーンの楽曲も効果的に使われています。
特に、「Don’t Stop Me Now」の「使い方」にはシビれます!
「ベイビー・ドライバー」で、見事な「音楽と映像のシンクロ」を魅せてくれたエドガー・ライトの、その片鱗がすでにこの「処女作」で伺えます!
もちろんコメディではありますが「ゾンビ映画」なので、ゾンビにつきもののグロい描写などもありますので、そちらが苦手な方は要注意ですが。
コメディだけどちゃんとハラハラさせてくれるし、そしてちょっぴり泣かせてもくれる。
まさに「ショーン・オブ・ザ・デッド」は、極上のエンターテイメント作品だと言っていいでしょう!
まとめ
今回は、2004年の製作から15年の時を経て「劇場初上映」が決まった、「ショーン・オブ・ザ・デッド」について、あらすじや見どころなどをご紹介しました。
現時点では限られた地域での「限定公開」ですが、ここで大入りになれば、もしかしたら「拡大公開」もありえるかも・・・?
ぜひとも、日本全国で上映してくれるように、期待したいですね!
『ショーン・オブ・ザ・デッド』
2019年3月29日(金)~限定上映
TOHOシネマズ シャンテ(日比谷)、なんば、梅田、六本木ヒルズ
https://www.tohotheater.jp/event/shaun-of-the-dead.html
コメント